溺愛総長様のお気に入り。
広がるモヤモヤ。


「なんだかやっぱあの子、好きになれない」



千春ちゃんが、机に頬杖をついて視線をぼーっと送る先は……桜子ちゃん。


休み時間になれば、桜子ちゃんの回りには男の子が群がる。


そうすると、桜子ちゃんの席の前のあたしは居場所がないから、千春ちゃんのところに避難しているんだ。



「もうさ、あたしを見て見て~ってオーラがびんびんに出てるよね」


「千春ちゃん……」



全然真似できてないし。


お昼ご飯は、相変わらず桜子ちゃんの周りに男の子が群がる形で食べているみたい。


男の子たちの興味が桜子ちゃんばっかりに向いていることに、クラスの女の子は文句を言っていた。



「どうして男っていうのは、あーゆー女に騙されるワケ?明らかに色目使ってんじゃん」



千春ちゃんも同様に。


最近、桜子ちゃんのことでピリピリ度が増している。

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