溺愛総長様のお気に入り。
「わーっ、煌だ~」
なんて桜子ちゃんが叫ぶものだから、クラスが静まりかえった。
「おはよ~」
パタパタと走りより、煌くんの腕をつかむ。
……っ。
見ていられなくて、目を反らしてしまった。
そして、ザワつく教室。
ムリもないよね。
あの桜子ちゃんと煌くんが親し気に話しているんだから。
「ちょ、なにあれっ!?」
千春ちゃんは、目を白黒させてその光景を見ていた。
桜子ちゃんを取り巻いていた男の子たちも、顔がひきつっている。
チヤホヤしていた子が、鳳凰総長と知り合いなんて知って、生きた心地がしないはず。
「知り合いみたいだね……」
「なんでそんなに冷静なのよ!」
「昨日ね、あやめに桜子ちゃんがいて……」
「はぁーっ!?なんであの子が、ふがっ……」