溺愛総長様のお気に入り。


それは相当驚愕の事実らしく、あまりに大きな声を出すものだから、あたしは彼女の口を塞ぎながら廊下へ連れ出した。


煌くんと一緒にいる桜子をちゃんを見たくなかったっていうのもあるけど……。


そして、昨日あやめで見たことを伝えた。

……煌くんの、あの言葉以外。



「信じらんない。あれだけ可愛くてお嬢様で、しかも煌さんと知り合いなんて。どれだけ世の中は不公平に出来てるのよー」



ハンカチを咥えながらジタバタする千春ちゃん。


そこ……?


相変わらず千春ちゃんの突っ込みどころには苦笑いしちゃうよ。


強張っていた頬も思わず緩んだ。

< 291 / 401 >

この作品をシェア

pagetop