溺愛総長様のお気に入り。

「うん。そうだよ」



桜子ちゃんは頷いた。何のためらいもなく。



「幼なじみみたいなものかな。ほら、愛莉ちゃんと南里くんみたいに」



あっけらかんと言ってにっこり笑う。


あたしと南里くん、か。


実際に男の子との幼なじみがどんなものかは、よくわかっているつもり。


女の子から「いいな～羨ましい」って言われることがよくあったりして、それが大変だっていうのも。


南里くんがチャラくて女友達がいっぱいいたせいで、よく言われたもん。


高校でようやく学校が離れてそれがなくなったと思ったら、合併だなんて、どこまでも縁があるものだと思う。


もしかしたら桜子ちゃんもそんな思いをしたことがあるのかな、なんて思った時。