溺愛総長様のお気に入り。


「昨日、見た?」



……え?


ゴクリと唾をのんだ。

パチパチと瞬きを繰りかえす。


昨日って……。



「そっか、そういうことか」



まだ返事をしていないのにそうだと解釈した煌くんは、ぐぐぐ、とソファに背をつけた。


そして、あたしの肩に腕を回して口角を上げた。



「それで拗ねてた?」


「ちっ、ちがっ……」



肩をがっちりホールドされて、抵抗しても無駄なだけ。



「教えてやろうか、そういうの、嫉妬っていうんだよ」


「……っ」



妖艶な瞳で言われたセリフは間違ってない。


あれは完全に嫉妬だった。でも、それだけじゃない。



「アイツは昔からの知り合いでさ。俺を見つけて勝手に入って来たんだよ。俺もびっくりしたし」

< 300 / 401 >

この作品をシェア

pagetop