溺愛総長様のお気に入り。

「南里……くん……？」



思いもよらなかった告白は、あたしの頭を真っ白にした。


物心ついたときから幼なじみだった彼にそんなことを言われて、動揺しないはずない。


きょうだいのように育った彼に、あたしはそんな感情を抱いたこともなく、その逆も同じ。


南里くんがあたしをその……好き、とか。夢にも思ったことがないから。



「暴走族に入ってるのを黙っていたのも、愛莉に嫌われたくなかったからなんだ」



驚きに包まれ、何も言えなくなっているあたしに南里くんは自嘲気味に打ち明ける。


ふっ……と、笑みをこぼしながら。



「男ギライの愛莉に、そんなこと言ったらぜってー嫌われると思って」



そんな……。


どうして、あたし？


南里くんだって女の子には不自由しないだろうし、なにも男ギライのあたしじゃなくたって……。