溺愛総長様のお気に入り。
たったの数日なのに、すごく久しぶりな気分。
街並みも、外を走る自転車も。
今日はいつもと違って見えるのはなんでだろう……。
ゆっくりと流れる車窓を横目に、煌くんの声が聞こえてくる。
「まだ痛むか?」
隣に首を振れば、心配そうに眉をひそめている煌くん。
久しぶりに会った煌くんは、いつもより優しい感じがした。
ケガをしているからなのかもしれないけど、警戒心の強いあたしはその裏を考えてしまう。
休んでいる間、南里くんとどういうやり取りがあったのかって。
同じ小学校だったことや、その……あたしをからかっていた過去を南里くんが咎めたのかどうか……。
「もう、だいぶ良くなりました」
「そうか」