溺愛総長様のお気に入り。
「わー、愛莉待ってたよ~」
教室に入ると、先に来ていた千春ちゃんがあたしに抱き着いてくる。
「千春ちゃん久しぶりっ」
顔を見てホッとした。
千春ちゃんとは、毎日のようにメッセージでやり取りをしていたんだ。
「もう大丈夫なの?」
「うん、普通に歩けるようになったよ。体育はしばらく見学するけどね」
「そっかぁ。でも骨折じゃなくてほんと良かったよ~」
ケガのこともまるで自分ことのように気にしてくれていた。
「愛莉が休んでる間のノートはバッチリだから任せてね!」
「わ~、ありがとう」
ドンと胸を叩く千春ちゃん。
モヤモヤしていた気分も、千春ちゃんと話している間は忘れられる。