溺愛総長様のお気に入り。
「早速1時間目の英語だけど……」
千春ちゃんはノートを広げながら説明してくれる。
そんな中でも、チラチラと入り口を気にしてしまう。
煌くんは、今日教室に来るのかなって。
すると、桜子ちゃんがちょうど入ってきて目が合った。
「わっ、愛莉ちゃん!!」
そのかん高い声に、体が拒否反応を示した。
平均台から落下したのも、直前にあんな話を聞いたからで。
あのときの感覚がよみがえってしまう。
「も~、びっくりしたんだから~。大丈夫なの??」
瞳をうるうるさせながら、あたしの体をペタペタと触ってくる。
桜子ちゃんと話すのは、あれ以来だけど。
「顔色悪かったら心配してたら落下でしょ?おかしいなって思ってたのに、なにも出来なくてごめんね……」