溺愛総長様のお気に入り。


「早速1時間目の英語だけど……」



千春ちゃんはノートを広げながら説明してくれる。


そんな中でも、チラチラと入り口を気にしてしまう。


煌くんは、今日教室に来るのかなって。


すると、桜子ちゃんがちょうど入ってきて目が合った。



「わっ、愛莉ちゃん!!」



そのかん高い声に、体が拒否反応を示した。


平均台から落下したのも、直前にあんな話を聞いたからで。


あのときの感覚がよみがえってしまう。



「も~、びっくりしたんだから~。大丈夫なの??」



瞳をうるうるさせながら、あたしの体をペタペタと触ってくる。


桜子ちゃんと話すのは、あれ以来だけど。



「顔色悪かったら心配してたら落下でしょ?おかしいなって思ってたのに、なにも出来なくてごめんね……」
< 337 / 401 >

この作品をシェア

pagetop