溺愛総長様のお気に入り。


お昼休み、あたしはお弁当を持っておずおずと千春ちゃんに歩み寄った。



「あのね、千春ちゃん……」


「ん?」



いつもなら、ここでふたりで"あやめ"と"つばき"に行くんだけど……。



「あのさ、今日はふたりでお弁当食べない?」



解放してほしいと言ったんだから、もうあやめには行けない。


千春ちゃんにも、あたしの決意を聞いてほしかったんだ。



「どうしたの?」


「話したいことがあって……出来れば、教室じゃない方がいいんだけど」


「えー、なになに?」


「うん、ちょっと……。ごめんね、ハクさんに会いたいよね」


「そんなのいいって!愛莉の話を聞く方が大事だよ」


「ありがとう」


「じゃあハクさんに連絡しておくね」



千春ちゃんはハクさんにスマホでメッセージを送り、その後一緒に屋上へ向かった。

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