溺愛総長様のお気に入り。
「だって、昔のお友達に会えるのって嬉しくない~?」
言いながら、愛莉の定位置に腰を下ろす桜子。
そこ、お前の席じゃねぇんだけど。
入っていいと言った覚えもない。
誰かに俺の所在を聞いたのか、初めてここへ来られたときは驚いた。
視線で訴えてみるが、そんなことが伝わるわけもなく俺は諦めてため息だけを零す。
それにしても、昔の友達って……。
当時から友達でもなんでもなかっただろ。
チクリやがってふざけんなと思った反面、いつかはバレる、言わなきゃいけないことなんだよな。
俺は、愛莉が思い出してくれるまで自分からは言わないつもりでいたが……そんなことは神が許してくれなかったみたいだ。