溺愛総長様のお気に入り。
ああ。コイツと話しているとマジで疲れる。
と、そのタイミングでスッとソファから立つ帝。
自室にでも戻るのかと思いきや、キッチンに立った帝はお湯を沸かし始めた。
「お前、ブラック?」
「……ああ」
コーヒーのことを言われてるのだと思い、うなずく。
……どうやら、俺にコーヒーを入れてくれるらしい。
性格はねじ曲がっているが、人をもてなすのが好きな帝はこういうところ人徳を得ている。
「桜子はどう?いい子にしてる?」
豆を落としながら俺に目を向ける帝。
いい子って。
「……相変わらずちやほやされてるらしいぞ」
俺は直接は知らないが、南里からの情報だとそうだ。