溺愛総長様のお気に入り。


生まれた時からお嬢様な桜子は、そんな扱いを受けるのが普通過ぎて、調子に乗ってるとかそんなつもりはない。


だからこそ、女子の反感を買ってしまうのだろう。


今もクラスでは浮いていると、南里は言っていた。



「ふーん」



結局、これが一番聞きたかったみたいだ。


チラリとその顔を盗み見れば、どことなく安心している様子が、言葉の端から伝わった。



「気になるのか?」


「別に」



嘘つけ。


桜子のことが気になってしょうがないくせに。


巷では許嫁なんて言われているようだが、実際そんなことはなく。けれど二人はなんだかんだ相性が合うからそのまま事実にしてしまってもいいと思う。



「帰ってきてから相手してやってんのか?女と遊んでばっかりいると桜子が拗ねるぞ」
< 355 / 401 >

この作品をシェア

pagetop