溺愛総長様のお気に入り。
黙っていても女が寄ってくる帝。
俺と真逆で来るものの拒まずの帝だが、なんだかんだ桜子のことが気になるらしい。
桜子も同じだ。
桜子は、帝に特別な気持ちを抱いているのだろうと俺は密かに思っている。
「学校で煌に会ってるからいいんじゃないの?だって桜子は俺たちの顔が好きなんだから」
「……一緒にすんなよ」
「同じ顔の癖に」
そう。
俺たちは一卵性の双子なのだ。
今目の前にいるコイツと同じ顔なのかと思うとため息がでる。
顔だけじゃなく、背丈、髪質、肌質……そして好きなもの嫌いなものまで一緒だ。
一卵性なのだから、当たり前のかもしれないが。
「そういえば、あの子には会えたの?」
「……っ」
“あの子”
強気に出ていた俺も、その言葉には素直に反応してしまった。
が。
「まあな」
必死に平静を装って答える俺に、更にムカつくことを言ってくる。
「じゃあ、もうモノにできた?」