溺愛総長様のお気に入り。
下っ端に愛莉の行動を調べさせると、保健室に行っていることが多いようだった。
どこか具合が悪いのか?
心配になりながらも、駆け付けた保健室のベッドで寝ている愛莉を見たときは嬉しさしかなかった。
6年ぶりの再会なんだから当然だな。
見た瞬間、当時の純粋だった気持ちが一気に蘇る。
あれから色んなことを経験してそれなりに擦れた俺も、その気持ちを呼び起こしてくれるほどの感動。
あの頃と変わらず可愛い。
けれど確実に女らしくなっていて、気持ちを押さえられなかった。
……モノにしたい。
どうしても手に入れたい、そう思った。
愛莉が保健室にいる理由を、黒羽と合併したことによる体調不良と聞き、帝のしたことの罪の重さを感じ罪悪感にとらわれる。
まだ男ギライが治ってねえのか。
……なら。
帝のせいで男ギライになってしまった愛莉のために。
目立たず地味に過ごしてきた愛莉のために。
「俺が存分に愛してやるよ……」
眠っている愛莉に向かって、そっと口にする。