溺愛総長様のお気に入り。
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愛莉があやめに来なくなって数日が過ぎた。
そのせいで、昼と放課後は隣の部屋で過ごしていたハクも、あやめに居座っている。
「やっぱここの方が過ごしやすいよな」
大して変わらねえくせに。
自分の家みたいに大きい顔して漫画を読みふけっている。
ソファにデカい体を投げ出した姿を見ては、ため息がでる。
愛莉と同じ人間って生き物なのかと疑いたくなるこの差はなんだ。
「煌~」
「……あ?」
漫画に没頭していると思っていたハクが俺を見ていた。
「最近さらに人相悪くなったな」
「てめーに言われたくねえわ」
どのツラ下げて、んなこと言ってんだか。
鏡見て来いって話だ。