溺愛総長様のお気に入り。
え?
もしかして煌くんが来たの?
……ひとりで?
駄目だよっ!
だってここには10人もいる。
視聴覚室で5人をひとりで相手にした煌くんだけど、あのときの人たちよりも格段に柄が悪いしそれだけで強そうに見える。
なにより数が違う。いくら何でも、煌くんひとりで太刀打ちできるわけないよ。
「さっさと済ますから、大人しく待ってろよ」
「やめてっ……!」
「お互いに愛だね~。まあ、もう少ししたら合わせてあげるから、ふたりで傷でもなめ合いな」
男はそう言い放つと、他の仲間を連れてこの部屋を出て行った。
あたしは動こうとしても手が縛られ、椅子に固定されているからどうにもならない。
誰もいなくなった部屋で唇をかみしめた。
「愛莉はどこだ!!!!」
煌くんっ……!