溺愛総長様のお気に入り。
──ドクンッ……!
俺のモノ……。
断言したその言葉に、胸が震えた。
姫じゃないけど。……俺のモノ……って。
はじめてあやめに行った日に、宣言されたこと。
煌くんは、ほんとにあたしのことを……?
からかってるんじゃなくて、ちゃんとあたしを好きでいてくれてたの?
ねえっ……。
涙がジワジワ溢れてきた瞬間。
「……だったらもっと都合いいじゃねえか。やれ」
男が合図を出し、すぐに鈍い音が聞こえてきた。
それは、殴る蹴るの音で……。
「てめえぇぇぇぇぇっ!!!!」
「おらぁぁああっ!!!!」
それに一生懸命立ち向かっている煌くんの声が聞こえる。
でも……声は次第に聞こえなくなっていった。
あたしは知ってる。
煌くんがものすごく強いことを。