溺愛総長様のお気に入り。


──ドクンッ……!


俺のモノ……。


断言したその言葉に、胸が震えた。


姫じゃないけど。……俺のモノ……って。


はじめてあやめに行った日に、宣言されたこと。


煌くんは、ほんとにあたしのことを……?


からかってるんじゃなくて、ちゃんとあたしを好きでいてくれてたの?


ねえっ……。


涙がジワジワ溢れてきた瞬間。



「……だったらもっと都合いいじゃねえか。やれ」



男が合図を出し、すぐに鈍い音が聞こえてきた。


それは、殴る蹴るの音で……。



「てめえぇぇぇぇぇっ!!!!」


「おらぁぁああっ!!!!」



それに一生懸命立ち向かっている煌くんの声が聞こえる。


でも……声は次第に聞こえなくなっていった。


あたしは知ってる。
煌くんがものすごく強いことを。

< 381 / 401 >

この作品をシェア

pagetop