溺愛総長様のお気に入り。
見るに痛々しい煌くんの顔。
綺麗な顔が、殴られて腫れている。
口の横も切れている。
帝という人が来る前に、殴られちゃったんだろう。
痛々しいよ。
あたしを支えてくれているその体だって、本当は痛いはず。
「こんなのツバつけときゃ治るって」
「ダメです!」
きっぱり言い切ると、煌くんは少し驚いたような顔をして。
渋々救急箱を取りに行った。
「痛かったら言ってくださいね」
ガーゼに消毒液をたらし、口横の傷にあてる。
ツバつけときゃ……なんて言ったくせに、やっぱり痛いらしく折顔を歪める。
……我慢なんてしなくていいのに。
「鳳凰の総長の名が聞いて呆れるな……情けねえ……」
きっと、今までもたくさん喧嘩をしてきたんだよね。
でも今日みたいなことは初めてなのかも。
「そんなことないですっ!あんな大勢で寄ってたかって……卑怯ですよ」