溺愛総長様のお気に入り。
「大丈夫だから」
煌くんが優しくあたしの手を握ったところて、リビングのドアが開いた。
「つうかなんなんだよ!なんか急に胸騒ぎするからお前に電話かけても通じねえし、仕方ねえからお前の交遊関係調べて翔和とか言うやつに聞いたらおかしなことになってるとか言われてよ」
「あー、それでか」
「それでか、じゃねえだろ。慌てて車回させて間に合ったからいいものの……」
「頼んでねえし。俺一人で余裕だった」
「……ったく。いい加減家に戻れって。いつまでもこんなとこで独り暮らししててもしょうがねえだろ。母さんもああ見えて寂しがってんだよ」
そう捲し立てる人物を見ているあたしは固まっていた。
思わず、隣にいる煌くんを見てしまう。
だって……。
「煌くんが……ふたり……?」
すると、彼は表情を緩めてプッと噴き出した。