溺愛総長様のお気に入り。


「桜子から聞いたんだよな?俺が愛莉と同じ小学校にいたこと」



煌くんから言われ。


こくり。あたしはうなずく。



「愛莉は小学校時代の俺を思い出したんだろうけど……それはおそらく帝だ」


「……」



言葉が出なかった。


じゃあ、あたしをからかっていたのは帝くんの方……?


あたしってば、ひとりで勘違いして煌くんのこと不審に思って。



「帝が愛莉に言ってたこと、全部知ってる……。傷つけて悪かった」



苦しそうに告げた煌くんは、眉を下げた。


……煌くんじゃ、なかった……。


そのことを知った今、全身の力が抜けてしまう。



「……ごめんね?愛莉ちゃんに色々言ってたのは、全部愛情の裏返しだったんだ」



続けて、煌くんにそっくりな顔で、そうカミングアウトする帝くん。

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