溺愛総長様のお気に入り。
どうしてこんな言葉を投げたのか自分でもびっくり。
でも、本当に相手のことが好きだったなら。
まっすぐに伝えてほしい──煌くんみたいに……。
もう子供じゃないから、そんな間違いはしないかな。
「ははっ……言われちまったな」
帝くんはバツが悪そうに頭をかいて、何かに気づいたように言う。
「俺……もしかしてお邪魔?」
「もしかしなくてもな」
即答する煌くん。
そんな答えに、あたしがかああっと熱くなった。
「とっとと失せろ」
「はいはい。そろそろ俺も自宅に戻るよ」
「……そうしろ」
「でもよ、お前も帰って来いって」
そんな問いに、あたしは煌くんの横顔をじっと見つめた。
「……考えとくよ」
良かった。
ひとり暮らしなんて寂しいもんね。