溺愛総長様のお気に入り。
列を見ると、注文を終えた彼らがコーヒーを手にする姿が見えた。
「ち、千春ちゃん、そろそろ教室戻ろうよぉ」
混乱する頭の中でも、分かることがひとつだけあった。
彼らに見つかっちゃいけない───
また関わったら、とんでもなくまずいってこと!!!
「え~、もうちょっと見てたいよ~」
「あたしは戻りたいの、なんだか鳥肌が……」
「もー、ほんっと愛莉の男ギライって病気だよね」
うん、病気なの。
わかってくれてるなら早く!
あたしは名残惜しそうな彼女の手を引っ張って、そそくさとカフェをあとにした。