溺愛総長様のお気に入り。
「しょうがないな~、あたしもつき合ってあげるから行こう!」
え?えぇっ!?
それ、千春ちゃんが行きたいだけなんじゃ……。
「場所はどこ?」
「案内しますっ」
連れて行かなきゃ大ピンチの彼と、行きたい千春ちゃんの利害は一致して勝手に話を進めてる。
「ほら行くよ!」
「えっ、ちょっ……!」
「もたもたしない。待たせちゃ悪いでしょ?」
「やだっ、行かないってば」
千春ちゃんったらすごい強引。
それでもなんとか最後の抵抗を試みていると、明るい声が頭上に振ってきた。
「なにしてんの~」
それは南里くんで。
なにか面白いものでも見つけたかのような顔をして、焦るあたしに視線を注ぐ。