溺愛総長様のお気に入り。
な、なんで!?
あまりに衝撃すぎて、腰を抜かしそうになる。
ここ、応接室だよね?
どうして彼がいるの?
絶対にいるはずのない人の姿があることに、なにがどうなってるかわからなくてプチパニック。
「愛莉~」
そのとき、追いかけてきていた千春ちゃんが追い付いて。
「わあっ!」
同じように中をのぞいてあたし以上のリアクション。
後ろにのけぞって、大きい瞳をさらに見開いた。
「遅かったんじゃねえの?」
ゆっくりソファから腰を上げた彼は、ゆっくりこっちに歩いてきた。
わっ。
彼が動くだけで、周りの空気が引き締まる。
背は高いし目つきは鋭いし、なによりオーラがすごい。
初めて、人間に殺気というものを感じたよ。
泣く子も黙るって、こういうこと?