溺愛総長様のお気に入り。
へっ?へっ?
南里くんっていったい……。
「あ、あ、あのぅ……」
銀髪の彼にチラチラ視線を送りながら、南里くんに説明を求める。
「愛莉ごめん。悪いようにはしないからさ」
少し困ったような笑いを浮かべる南里くん。
「でっ、でもっ……!」
顔を前に向ければ、不良がふたり。
うっ、直視出来ない。
もしかして、南里くんは彼らに脅されてたりする……?
「ねえっ、もしかしてここが噂の鳳凰のたまり場なの?」
ちょ、千春ちゃん!?
恐いもの知らずというか好奇心旺盛というか。
あたしとは対照的に、頬を紅潮させて、もう興奮がとまらない様子。
あたしの腕をほどいてどんどん中に入って、部屋のなかをぐるりと見回す。