ツインテールの魔法
「ノンちゃんが生徒会?」
昔からこの性格な夏音がその立場にいたことを、蒼羽は疑わずにはいられなかった。
「ほとんど人気投票みたいなものだったの。会長はうーちゃん、副会長がノン、会計兼書記は紘くん」
その選出方法で三人が選ばれたことに、蒼羽は納得した。
「問題、なかったの。ノンたちは仲良かったし……でも、もうすぐ任期が終わるってときに、問題が起きた」
「藤宮さんと意見の食い違いで喧嘩?」
現状の二人から、なにがあったのかを予想して言ってみると、夏音は首を横に振った。
「紘くんが記録してたお金の収入支出記録と、残金が一致しなかった。……少なかったの」
「紘が隠れて使ったのか!?」
そう言った瞬間に呆れたような目を向けられ、蒼羽は目を逸らす。
そんなわけないと当然わかってはいるが、流れとしてそう言わずにはいられなかった。
「紘がそんなことするわけないですよねー……」
「まあ、一番に疑われたのは紘くんなんだけどね。賢いし、それくらい誤魔化せるだろーって」
どうして夏音が証拠もなく人を疑うことを許さないのか、その理由がわかった気がした。
「ノンも疑われたし、うーちゃんも疑われた……」
「それって、教師から?」
予想外の言葉に、夏音は驚く。
「そう、だけど……なんで?」