ツインテールの魔法

「でもそれって、ノンちゃんのせいじゃないよね……?」


話を聞く限り、どう考えても夏音のせいだとは思えなかった。


「誰かのせいにしなきゃ、やってられないときもあるでしょ?それに、ノン、堂々と真相を暴く!とか言っちゃったし」


苦笑する夏音になにか言いたいけれど、言葉が見つからない。


「そもそも、ノンには謎を解く力なんてなかったの」
「あんなに難しいのも解けるのに?」
「……その事件で解決出来なかったから、鍛えてる……みたいな?罪滅ぼし……かなあ……」


話が終わり、蒼羽は少しずつ頭の中を整理していく。

その間夏音はずっと黙っていた。


「あれ……?その事件、結局どうなったの?それに、なんで紘は藤宮を睨んでた?」


夏音は頭に疑問符を浮かべた。


「そう言えば真相知らない……ていうか、紘くんがうーちゃんのこと睨む理由はなんとなくわかるでしょ?」


二人は笑顔で、揃って首を傾げる。


「夏音!」


部室に戻ってきた紘は、どこか慌てていた。


「お前の衣装が……!」


多くの疑問を部室に残し、三人は教室に急いだ。


◇ ◆ ◇


教室では、夏音の衣装を破った、罪の押し付け合いが行われていた。
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