ツインテールの魔法
「俺たち一生ノンちゃんとこのままってこと!?うーわ、無理。絶対いつか理性壊れる」
紘はその言葉に呆れ、ため息をついた。
「堂々と言うなよ」
「紘、よく我慢出来てたよな。同じ屋根の下で暮らしといて」
紘はなにもない自分の手のひらを見つめる。
「夏音を失うって思うと……」
紘は言葉を濁した。
だが、蒼羽は紘が言おうとすることをなんとなくだが、理解した。
「今後もその調子でよろしく」
そう言って紘の肩を軽く叩くと、教室に入って行った。
「お前なんかに渡すかよ」
独り言を残して、紘は部室に向かった。
◆ ◇ ◆
麗を連れて、夏音は部室に戻っていた。
「うーちゃんも一緒に部活しよ?」
「お断りします」
「えー、いいじゃん、やろうよー」
夏音が駄々をこねていたら、夏音は前から来た男子生徒とぶつかった。
「おっと、ごめんね」
しかし、彼は怯えたように、黙って走り去ってしまった。
その様子に、夏音は違和感を感じた。
彼が来たほうにはミステリー研究部の部室がある。
「……まさか!」
夏音は麗から手を離し、部室に飛び込んだ。
室内は泥棒が入ったような荒らされ方をしていた。
「やっぱり……!」