ツインテールの魔法

「私の書くカタカナのソはリに見える。社長にも同じ反応されたよ。それで、芸名にちょうどいいなと思って、リラにしたんだ」


そう言いながら、リラの部分を丸で囲んだ。


「姉ちゃん、事務所とか入ってんだ……」
「あんたはもう少し興味を持ってくれてもいいと思うのよ」
「……もう少し俺に優しくしてくれてもいいと思うんだ」


空奈はキッチンに立つ蒼羽を見つめ、首を傾げる。
蒼羽はゆっくりと視線を逸らす。


「あの……どうしてノン、呼ばれたです?」


そのやり取りを遮るように、夏音が手を挙げた。


「ん?俺、姉ちゃんが呼んだって言ったっけ?」
「今のやり取りからして、蒼羽くんがリラに命令されたのかなーって思ったんだけど、違った?」
「いや……さすがだよ」


蒼羽はそう呟くと、ソファに戻った。


「夏音ちゃん、すごいね。もしかして謎解きとか好き?」


空奈に名前を呼ばれたこと、褒められたことから夏音は言葉に出来ない喜びを覚えた。
足をジタバタさせながら頷く。


「……これ見て、なにを思う?」


空奈が取り出したのは、ハガキサイズの紙だった。
そこには次のようなことが書かれている。


『来週のステージに立つな。立ったら殺してやる』
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