ツインテールの魔法
「……殺すか?罪、重くなるのに」
脱線するとわかっていながら、そう言った。
テストの偽装工作の理由を考えていた夏音は、紘の顔を見る。
「殴った人と殺した人は別じゃないの?殴った人をかばうために、殺した。……違う?」
テストを盗んだ犯人のことも考えながら、自分の作った謎の真相に近付いている夏音に、わずかに恐怖を覚えた。
紘は夏音の視線から逃げるように、顔を伏せる。
「その反応は……ずせいだね?」
夏音は勝ち誇ったような顔見せる。
「図星だ、バカ」
なんて言いながら、その夏音を恐ろしく思ったことを馬鹿らしく思った。
「紘くんのはね、あとちょっと解ける。ただ……テストはわからない。容疑者が全校生徒……もしかしたら先生も含まれるかも」
「一年だけじゃないのか?」
話が戻り、紘はまたメモをとる。
「テストが盗まれたってなったら、どうする?」
「そりゃあ、問題を作り直す」
「そう。盗んだって、先生の苦労が増えるだけで、意味はない」
夏音の言いたいことがわからず、紘は首を傾げる。
「一年生のテストをコピー機に置いたのがりそう……じゃなくて、偽装工作とすると?」
「はぐらかすなよ」