ツインテールの魔法

夏音の行動理由が判明し、二人は納得する。


「とりあえずこれくらいでいい?ほかにわからないこと、ない?」


二人は顔を見合せ、夏音を見る。
そして、頷いた。


すると、夏音は立ち上がってこれでもかというほど、頭を下げた。

すみれと朱里はどうしたのかと戸惑うが、紘は理由がわかっているらしく、ため息をついた。


「ごめんなさい!」


必要以上の大きな声だった。


「か、夏音?」
「どうして謝るの……?」


二人は慌てて夏音の体を起こす。
夏音の目には涙が浮かんでいる。


「ノン、はっきりしない証拠で、すみれセンパイを疑った。余計なことして、朱里センパイを苦しめた。本当に、ごめんなさい……」


今にも泣きだしそうな夏音を、朱里は抱きしめた。


「夏音、ありがとう」
「え……?」


そんなふうに言われると思っていなかった夏音は、言葉が出てこなかった。


「私たちを助けてくれて、ありがとう」


すると、静かに頬に一筋の涙が流れた。
それから夏音の涙は止まらなくなり、幼い子供のように泣きじゃくった。

すみれはそんな夏音の頭をそっと撫でた。


紘はいつもなら抱きしめるが、今回は自分の出る幕ではないと思い、三人を優しい目で見つめていた。
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