時のなかの赤い糸
開かれた扉
彼女は、最近ふと思うことがある。
運命ってなんだろう…って?
そんなことを考えながら、学校の渡り廊下を1人放課後渡っていた。
古びれた校舎の裏には、小さな山があって、そこは、春には桜を咲かせ、秋には紅葉になり、冬は雪で真っ白になったり
夏はセミがうるさくてたまらない
そんな山。
だったりするわけで、今は夏の前の春だったりして、桜が綺麗だった。
「ヘックション!!」
ずるずる鼻をかんで山を睨む。
彼女は、花粉症だったりする…ι
というか、どうして放課後に渡り廊下にいるかと言うと、
『放課後渡り廊下にいてください』
という、彼女に男からのお呼び出しがあったからであったりするわけで。
「…あの男…
誰?」
無視れば良いのだが、彼女の性格上、そんなことは出来ない訳で、1人寂しく鼻をすすりながら校庭を見る。
彼女の名前は綾野遥。
ごく普通の高校生である。