時のなかの赤い糸
愛する君に
「行きます」
遥が言うと、時間の狭間にやって来て、永倉の布団の上に落っこちた。
「あいたたた」
「いたたじゃねぇよ」
布団からムクッと起きた永倉は、遥をみるなり目を見開いた。
「………綾野っ」
「え?!」
いきなり手をグイと引っ張られ、バランスを崩して永倉のほうに倒れた。
「………どこ行ってたんだよ…1ヶ月も」
(こっちでは一月たった時代に来たんだ)
遥は戻ってきて、しかも一番に永倉に会えた事を嬉しく思い、永倉に抱きついた。
「綾野………っ」
「永倉さ……んっ」
永倉は遥の頭を固定して、遥の唇を奪った
一気に寂しさが溢れ出す。
「永倉さ……ん」
遥の声と共に永倉は遥を力を込めて抱き締めた。
もう決してこの手から離さぬように。
その時、部屋のしょうじが開かれた。