時のなかの赤い糸
とりあえず逃げることを先決に遥の頭の中に計画がたてられる。
「……おい?」
男の声にハッとして顔をあげると、食堂のよいな場所にいて、酷く盛り上がっていた。
酒を取り合うもの、
のみくらべをするのもの、
乱闘までしているものも…
屯所も大概だったけど、ここも半端なくやばいな…
と、遥は呆れてものも言えなかった。
「飲まねーとやってけねぇぞ」
男は無理に進める。
とっくりを遥に持たせるともう男は微酔いぎみだ。
「おらぁの名前は
西郷隆盛」
――――――――――――――西郷隆盛?!
これはタイムスリップした直前の遥に戻った気分だった。
今、めの前にいるこの人物こそが西郷隆盛なのだから、驚かない訳がない。
「あら?未来で俺は有名かい?」
悔しいけど超有名です。
「その顔じゃ俺、かなりの有名じゃねぇか
嬉しいこったなぁ、もっとイメージよくしとかねぇとなぁ」
西郷は笑うとまた酒を飲みほした。