時のなかの赤い糸
永倉の体からボタボタと赤黒い血液が地面に落ちていく。
「永倉さん!!!?」
涙が出そうになるのを必死に抑えた遥は、山崎に手を握られた。
「今は逃げなあかんっ」
山崎の瞬歩に、永倉も倒れそうになるところを掴まれて、時空を越えた。
「今追いかけますっ」
小十郎が瞬歩の構えをしたところを西郷が止めた。
「あいつは強くなる。
生きてもらわにゃ俺が面白くねーからな」
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屯所の救護所に運ばれた永倉は、山崎や女郎たちに囲まれて気を失っていた。
救護所の扉の前に一人佇む遥は下を向きながらただ夜空の下にいた。
中から騒がしく聞こえる治療の音。
まだ残像に永倉が血を流すところが残っていた。
それと、大切な友達を無くしたこと。
小十郎の笑顔が頭に浮かんで、遥の涙を余計に誘った。