時のなかの赤い糸
初めまして
「俺の名前は藤堂平助。八番だよ。
君、誰?」
藤堂は、不思議そうに遥をのぞくと、永倉が刀の梢で藤堂の頭を叩いた。
部屋には、もっともらしい、ポンッという音が響いて、なんだかおかしくなって皆が笑い出した。
「何すんだよ新八さん!」
叩かれた部分を抑えて永倉のほうを向いた藤堂は、永倉を見上げた
「平助、お前何やってんだ?」
「
何ってこの女みたいな男の子みてるの」
女みたいな男の子――――…
遥は落胆したようにガックリと下を向いた。藤堂が言うのも無理はない。
女物の服がないからと、土方が遥に昨夜渡したのは男物の着物だった。