時のなかの赤い糸
桜田門外
江戸までの道のりは長くて、1日やそっとでいけるものではなくって何日もかかった。
足もボロボロで体もズタズタだった。
だけど、永倉がいると言うだけで遥は足取りが軽かった。
どんなに歩いたって、隣にいる永倉の存在は大きくなってばかり。
それどころか、永倉はさらに強くなっていた
「お父さんは大丈夫なんですか?」
歩きながら永倉に聞くと、永倉は大きく頷いた。
「俺こないだまで女禁の山にいたからよくわかんねーんだけど」
永倉は少しだけ遠くを見つめた。
「大丈夫になってた。
俺の修行も終わったしな」
笑ってみせて、遥は少し頬を赤らめた。
(かっこよさも倍増?)