時のなかの赤い糸
「綾野」
少し火照った顔を冷まそうと、遥は1人縁側に座っていると、永倉が隣に座った。
「永倉さん」
永倉も顔が少し火照っていて、遥は永倉の肩に頭をおいた。
すごく安らぐこの懐かしい感じ。
「うふふ…」
「どしたんだよ、気持ちわりぃ」
遥が不適な笑い溢すと、永倉が吹き出したように笑った
「笑わないでくださいよ――!」
「ごめん、ごめん」
謝るけどそれでも永倉は笑ったままで、遥はふて腐れたように他所を向いた。
「なぁ綾野、こっち向いて」
永倉に言われて顔をあげると唇が重なった。
一瞬のことだったから遥は目を閉じる間もなくて、苦笑を浮かべた。