時のなかの赤い糸
新撰組の誕生
倒幕から10年前。
近藤は20歳、共に土方も同い年。
近藤と土方は、百姓の出だった。
近藤は、武士になりたいと強く願い、道場の養子になり、土方はそんな近藤の後ろ姿を追いかけました。
「かっちゃん」
団子屋で団子を頬張る土方に、近藤がため息をもらした。
「かっちゃんって呼ぶな。俺は近藤勇っつう名前をもらったんだよ」
「はいはい」
近藤はまた小さくため息をはいた。
幼馴染みである2人、近藤勇と土方歳三は、
のちの新撰組局長と新撰組副長である。
「歳さま!」
パンッ!
近藤の頬に鋭い痛みが走った。
(なんで俺!?)
ヒリヒリと痛む頬をさすると、土方が目の前で痛そうな表情をむけていて、
女が泣きながら近藤を見ていた。