時のなかの赤い糸
「起きろ」
バット起き上がると、辺りを見渡した。
隊士たちは、慌ただしく出かけの準備をしている。遥も急いで飛び起きた。
「どしたんですか?!」
「話は後だ、とっとと準備しろ」
永倉に背中を押されて遥は自室に戻っていった。
「長州が京都に責めてきた」
自室で新撰組の羽織をはおる遥に、しょうじの外から山崎が言った。
「やつらは京都御所にいくらしいねん。
で、それをさせへんために俺らが御所を守るってわけや」
「わかりました」
水色と白の羽織に身を固め、おでこには鉄を巻き付けて刀を腰に下げた遥は、バッとしょうじを開けると、山崎と頷きあって外に出た。