時のなかの赤い糸
近藤が先手を切って、一番隊から順に並んでいく。
二番組長には、永倉を。
遥的にも、永倉のほうが便りがいがあったゆえでだ。
「行くぞ!!」
「「「「「おぉ!!!」」」」」
隊士の声が高らかに響き、屯所から京都御所へと、誠の旗を掲げた新撰組の行列が続いた。
時は1868年。
皆も同志との別れを胸に刻みながら歩き続けた。もうすぐくる、新撰組の終わりを。
江戸幕府の終わりを―――――――――
「我らは新撰組なり!これより先へは、一歩たりとも進ませない」
土方の力強い声が響き、【誠】の旗が空の風に靡きながら力強く掲げられた。
目の前に迎えうつは薩摩、長州藩。
静かな時間の中に、鈴の音が鳴り響いた。