時のなかの赤い糸
「とりあえず」
落ち着いた3人は、少し周りの視線を感じるので学校に向かうことにした。
「先生に指輪の文字を読んでもらいましょう。
それから、永倉さんの名前の呼び方」
「遙でいい」
「新八でいいよ」
遥は、少し慣れないなぁ。と思いながら頷いた。
再び向かった社会準備室。
中はまだ明かりがついていた。
「失礼します」
ガラッと扉を開く。
中には、新撰組を読む先生がいて、遥に向かってニッコリと笑った。
「先生、永倉くんは?」
いったそばから遥は“永倉”がもう一人いたことを思い出した。
(ま、いっか)
「帰ったわよ?指輪だけ置いて行っちゃったんだけど」
困ったように遥に指輪を見せる先生。
3人は準備室の中に入っていった。