時のなかの赤い糸
真実
授業なんてまともに聞けなかった。
ていうか学校になんて来たくなかった。せっかく新八に会えたのに、また会うことが出来たのに。
終了のチャイムが鳴ると、あたしは家へと急いだ。
「ただいま――!」
お母さんはいない。自分の部屋に入ると、新八が遥のタンスを覗いていた。
手に持っているのはブラジャー!
「ぎゃ―――!!永倉さんの変態っっ!」
遥の鉄拳が永倉の頬をヒットした。
「痛て――ぇ!!」
「や、やめてくださいよぉっ」
遥はタンスを庇うように立った。
「何それ?」
新八は殴られて腫れた頬を抑えながらベッドに寝転んでいた。
「なんでもないですよ――ι」
「じゃあいいじゃん。いい香りがしたし、いっぱいあったし、俺黒のやつほしーなぁ」
「変態!!」
絶対新八はブラジャーが何かわかってると思いながら遥はまた一つ鉄拳を食らわした。