時のなかの赤い糸
「揃ったわね」
声が聞こえた、でもその声は直接的なものではなくて、現実的なもの。
遥、新八、遙が一斉に渡り廊下の扉の方を向くと、声の主が立っていた。
「……先生?!」
そうそれは、社会の先生だった。
「え?え?先生が…声?」
遥は戸惑いかくせず口や目をあんぐりと開けた。
「そうなの。黙っててごめんね?」
「「「えぇ―――?!」」」
グランドいっぱいに3人の声が響いた。
「早速本題!」
先生は腕を後ろに組んでニッコリ笑ってみせた。
「さすがに1年で永倉新八の生まれ代わりを見つけられるとは思わなかったわ。
だけど残念。永倉遙にはもう魂が入ってたのね!
だけど遙、あなたの魂はその体に入ってはいけなかった。
あなたは別の体にはいらなきゃダメだった。」
よく先生の声を聞いていれば確かにそうだった。
あの声だ。
「俺は、俺ですよっ」
焦る遙に、違うと先生が首をふった。
「あなたの本当に入らなきゃいけない体はこの時代にはない
――――――――江戸時代よ」