時のなかの赤い糸
「じゃ、ゆっくりしてってくれ。」
土方が言うと、遥たちは「はーい」と返事を返した。
一つの広めの部屋で、3人
「俺、ちょっと探検してきます」
遙が立ち上がって言った。
新八と遥に気を使ったのだ。
新八は、目でありがとうを言うと、遙を見送った。
そして二人きりになる部屋。
「遥」
「永倉さん?」
座りながら向かいあって、お互いの顔を見つめあう。
その間がすごく恥ずかしくて遥が目を反らした。
「あっち向いてほい」
(………?ι)
新八はクックックとお腹を抑えて笑いを噛み締めている。
(あたし負けたι)
あっち向いてほい、なんてしてるつもりなかったが、遥は向けられた視線のまま動けなかった。
「もう一回!」
新八は陽気に笑って、ちょっと嫌味っぽい笑みをうかべあがらせると、遥の頬に手をつけて正面を向かせた。
またまた向き合う二人。
遥は今度こそ勝ってやろう、とばかり思っていた。
それなのに、急に新八の顔が近付いてきて、唇が塞がった。