時のなかの赤い糸
遥が素直に口付けを受け入れて、甘い雰囲気があたりに漂う。
「……コホンッι」
誰かの咳払いが聞こえてすぐに離れて目を開いた。
「「?!」」
二人は目を見開く。
無理もない。
二人がいたのは、紛れもなく〝新選組屯所〟だったのだ。
縁側に座って、唖然としている。
咳払いをしたのは山南だった。
「どどどどうゆうこと!?」
「またタイムスリップしたんだっ」
永倉と遥がワーワーと騒ぎだしていると、山南がクスッと笑った。
「本当に仲がよろしいですね。
ですが、早く宴に行かないと」
「あっはい」
二人は必死に今までの宴を記憶に思い出した。
季節に、あうのは芹沢鴨暗殺の時の宴だった。