時のなかの赤い糸
「……それにしても、山崎さんはそうやってお仕事してるんですね」
急に遥に話題を振られた山崎がビクッと震えた。
「カッコいい!」
永倉が茶化すように言うと山崎はニヤリと笑った。
「忍やからな。顔がバレたら厄介や」
スラッと答えた山崎はホントにキャリアを重ねた感じだった。
「ほなら、帰ろっか」
立ち上がった山崎に続いて遥、永倉も立ち上がった。
月は満月。
未来は綺麗に輝いているのに、どうしても複雑な気持ちを浮かべる3人の影が京都の三条橋に伸びていた。