時のなかの赤い糸
「今何周でしたっけ?」
山南がしまった、という風に冷や汗を流した。
「無駄には動きたくない」
斎藤は何気に逃げるのが早くて鬼ごっこ結構強い。
「きゃはははっっやめて―――!」
遥が必死に沖田から逃げている。
「綾野さんタッ―チ―!」
「「あっ…ι」」
沖田が遥にタッチした瞬間、ちょうど土方が見える曲がり角で、遥と沖田は土方が睨み付けたのが見えた。
「はい。集合♪」
(あなたのその笑顔が凶器ですっっ)
不気味な笑みを浮かべた土方に、幹部全員が冷や汗を流しながら円を作って集合した。
(部活のミーティングみたい……)
「たく、ガキかお前らは。罰として壬生寺の掃除でも行ってこい!」
「「「はーい」」」
壬生村のお寺で、屯所から直ぐの所にあるのだが、何せ広いから時間がかかりそう。
遥たちはため息を吐きながら手拭いで縁側をふきはじめたのであった。