時のなかの赤い糸
強引にやって来たのは町の病院。
屯所の奥さんがこの病院が一番いいと言っていたので遥は迷わず沖田を連れて来た。
「いいからっ!子供じゃないんだから入って下さいよ」
沖田は玄関を前にして一歩も動こうとしない。
「新選組の一番隊組長がそんなんじゃ勤まりませんよ?」
遥はグイッと沖田の背中を押すと、簡単に沖田は病院の中に入っていった。
そのおかげで遥は躓いておもいっきり転んだ。
「いたーいっ!何するんですか沖田さんっ」
「大丈夫ですか?!」
沖田にイライラ募った暴言をはくと、病院の暖簾からそれはそれは美しい女の子が出てきて遥の手をとった。
遥でさえ見とれてしまう。
(沖田さん、女の子につられて入ったな!)
くそーぉ!と怒りを沈めると、女の子が遥を立たせてニッコリ笑った
「あのお方も貴方も、新選組の方やろ?」
まぁなんて色っぽい京都弁……
なんて思いながら遥は頷くしかなかった。